放射線技術部
放射線技術部
診療放射線技師長 藤原 薫
当部は、診療用放射線を用いて診断のための検査をする部門です。2020年3月1日移転・開院により、放射線診断装置が一新されました。装置の特徴は、一般撮影のFPD化、64列CT装置の導入により冠動脈CT検査が可能になった事、MRI装置にAIが搭載され事による検査の高速化などが挙げられます。また、当部の特色は、花巻市唯一の総合病院として機能をはたす為に、24時間の救急体制および花巻市内の医院からの施設開放を受け入れ、CT、MRIの有効利用を行う事で地域への貢献を目指しています。
また、基本理念『より早く、より確かな画像情報の提供』を達成すべく、十分な知識を持ち、その知識から裏付けされた技術を生かし、最短で、より患者さんに負担がない方法を用い、臨床医から求められる最良の画像情報を提供する為にスタッフ一丸となり日々努力をしています。
検査、被ばくなど放射線に関してわからないことがありましたら気軽にスタッフにお声がけ下さい。
理念
『より早く、より確かな画像情報の提供』
放射線部外観
各検査について
一般撮影(X線写真)検査
一般的にはレントゲンとして広く知れている検査になります。人体にX線を照射して、透過してきたX線をフィルムなどに投影する影絵です。これによってできた白黒濃淡に差のある画像を診断に役立てます。X線写真では、白黒濃淡が4段階(骨・水・脂肪・空気)に分かれます。
一般撮影は、FPDというシステムを使用しています。
部屋は2室あり、その他に病棟、手術室などで使用するポータブル装置も備えています。
一般撮影室
ポータブル装置
乳房撮影検査
X線を使用した検査で、より微細な病変を描出できる乳房撮影の専用装置です。
当院では、全て女性技師が担当しています。
X線TV(透視・造影)検査
X線TV装置により、X線を用いて人体内部をリアルタイムに観察しながら、検査、治療を行います。健康診断などでバリウムを飲んで行う上部消化管造影を含む消化器科領域、整形外科領域、泌尿器科領域の造影検査があります。
X線TV室は2室あり全てFPD装置です。その他に、手術室などで使用する移動できる外科用イメージがあります。
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外科用イメージ
CT検査
X線写真では、人体に1方向からX線を照射して透過したX線吸収の差を4段階の濃度(空気、脂肪、水、骨)で表現されていますが、同じ水濃度の血液、肝臓、腎臓などは明瞭には識別できず、一枚のX線写真では3次元構造の人体の奥行きの情報は得られなません。しかし、CTは、X線を360°から人体に照射することで、収集されたデータをコンピューターで、計算して断面像をつくりだします。
当院では、64列の装置であり、冠動脈CT検査にも対応しています。また、画像処理ワークステーションも備え、3D画像の迅速提供に寄与しています。
MRI検査
MRIの基本原理は、強い磁力で体内の水素原子核のプロトン(陽子)から放出される信号に電波で位置情報を与えることにより画像が作られます。MRIは、X線を使用しないため放射線被ばくが全くありません。MRIの有用性が高い代表的病態は、中枢神経系疾患では、脳腫瘍、脳梗塞、腹部・骨盤部領域では、肝腫瘍、婦人科疾患、泌尿器科系疾患の中でも前立腺疾患、整形外科領域においては、脊椎病変、関節、靭帯・腱の損傷などが挙げられます。また、検査は、強力な磁場に入る為、金属のチェックが必要になります。
当院のMRI装置には、AI応用技術のAdvanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)が搭載されていて、短時間の撮像でもノイズ低減により良好な画像が提供できます。
骨塩定量検査(DEXA)
わずかなX線を使用して骨の強度を調べる検査です。骨粗鬆症などの診断、経過観察、治療効果判定に用います。